総務省「オンラインカジノに係るアクセス抑止の在り方に関する検討会 報告書(案)」に対するパブリックコメント募集 public-comment.e-gov.go.jp
報告書案はこちら https://www.soumu.go.jp/main_content/001072515.pdf
上記募集に対して、パブリックコメントを送った。 内容は以下の通り。
提出意見:
本報告書案が示すオンラインカジノ対策としてのブロッキング導入の方向性には反対します。
第一に、通信の秘密及び通信の自由は、憲法第21条及び電気通信事業法により強く保護される重要な権利であり、その制約は真に必要不可欠な場合に限られるべきです。ブロッキングは、通信事業者が利用者の通信先情報を確認し、特定の通信を遮断するものであり、通信の秘密への重大な制約を伴います。そのため、導入に当たっては極めて慎重な判断が求められます。
第二に、本報告書案自身が認めているとおり、削除要請、取締り、支払抑止、周知啓発等の既存施策には一定の効果が認められています。また、基本法改正に基づく取組についても、施行後一定期間を経た適切な時期に効果検証を行う必要があるとされています。まずは既存施策を徹底し、その効果を十分に検証すべきであり、通信の秘密を制約するブロッキングの導入を視野に入れるのは時期尚早です。
第三に、ブロッキングの有効性について十分な立証がなされていません。報告書案は、VPNやパブリックDNS等による回避が可能であり、ヘビーユーザには効果が期待できないことを認めています。 また、有効性の根拠として示されているのは、主として若年層やカジュアルユーザの接触機会を減らせる可能性であり、その結果として依存症や利用者数の減少につながることを示す十分な実証的根拠は示されていません。さらに、依存症に関する実態や情報接触との因果関係については十分解明されていないとの意見も報告書中で紹介されています。
通信の秘密への介入は、その有効性が証明されたから認められるのであって、有効かもしれないから試してみるという発想で認められるべきものではありません。本報告書案は、有効性についてなお検証が必要であることを自ら認めながら、通信の秘密の制約を視野に入れている点で、法益衡量の順序が逆転しています。
また、一度ブロッキングを制度として認めれば、将来的に他の違法・有害情報対策へ対象が拡大されるおそれがあります。その意味でも、本件はオンラインカジノ対策にとどまらない重要な問題です。
以上の理由から、ブロッキング導入の方向性には反対し、まずは既存施策の強化と十分な効果検証を行うことを求めます。